GT Sportの公式戦では燃費走行の技術も必要らしい。本来はその辺りの戦略を「ドライバーの一人だけ」で考えるのは少し変なんですが・・・。
例えばマニュファクチャラーズシリーズ・Race3の富士SPW(20周)では、ピットインなしの燃費走行+タイヤ無交換作戦で「完走」したものの、フィニッシュ直前のガス欠ペナルティ・1分追加で12位・・・と散々。もう少し節約していれば、と思うと非常に悔しいレースでした。
特に事前調査もせずにレースに参加していましたが、過去にプロドライバーが話していた「燃費走行をするには直線を頑張らずにコーナーで頑張る」という一言を忠実に実行しただけで、ほぼ完走くらいまでできていました。もっとちゃんと調べていれば、もう半周くらいは走れたはずなんです。だから悔しい。
今後のために燃料消費について少し調べたかったんですが、さすがに20周も走る時間がない。なので手っ取り早く「燃料消費50倍」でテストしたところ、富士では2周も走れない。
ピットアウトして、アウトラップの1周後の1コーナー手前でガス欠する始末。消費50倍はカートコースくらいでしか使い道がなさそうですね。
一方、個人的経験則の「なんとなく燃費走行」の場合は、どうにか100Rの先までは到達できました。まぁどうせ2周もできてないんですが、1.5倍程度は燃費走行で距離を伸ばせるようです。
ちなみにたまたま今シーズン”契約”しているレクサスのGr.3マシン・RC F GT3には、全車共通の燃料表示とは別に、車内視点の計器中にも燃料消費量らしき表示がありました。この表示は全車にあるわけじゃないようです。
燃費については直線しかないスペシャルステージ・ルートXでテストしました。そういえば他の「スペシャルステージ」はどこに行ったんでしょうね。解雇?
まず車種ごとの違い。RC F、マスタング、488など、たまたま手持ちにあったGr.3マシン(BoPあり)を使い、ピットアウト→全開走行→ガス欠したらフルブレーキ、の流れでどこまで走れるのか試してみました。
フェラーリ488
スープラ
マスタング
NSX
見たところ違いはなさそう。全車「1800m手前」で止まりました。Gr.3では車種ごとの燃料消費の差はない・・・かな?
個人的な推測ですが、もし車種ごとに違っていたら一部の車種が実質使えなくになってしまって不公平なので、フルタンクで走れる距離はクラス内では同等になるように、設定されているハズ。あくまで推測ですが。
GTの世界では初期燃料は100L。RC F GT3の場合は最大120L、650S GT3では最大90Lと車内視点で確認できますが、この数値は見た目だけで中身の差はないと思われます。
ここからはRC Fでのテスト。燃費を抑える方法としては、「高回転まで回さない」か「アクセルオフの時間を長くする」のどちらかかなーと予想できますが、さてどちらが良いのか。
ただ、レース中はできるだけ全開にしないと遅くなるので、「速く走りつつ燃費を抑える」必要がある。難しいこと言いますよね。速く走るだけでも難しいのに、どこまでハードルを上げるのか。
RC Fの燃料消費50倍では、全開だとこんな感じ。燃料がものすごい勢いで「減って」います。数字は「増えて」いますが、これについては後述。
さて、燃費走行では要するにアクセルを開けている時間を減らせばいいと思うんですが、じゃあどこでアクセルを開けないようにするのか。コーナー?直線?
昔、どこの番組かは忘れましたが、とあるプロドライバーが燃費走行の秘訣として「直線は頑張らないでコーナーで頑張る」と言っていたことを覚えています。
実際、RC Fで富士を走っていた際に、直線で260km/hを超えた辺りから速度が伸びなかったので、260km/h以上でアクセルをベタ踏みする意味がないように感じました。大して加速しない直線末端で燃料を使いまくるより、もっと別の部分で速さを稼いだほうが効率は良さそうです。
どこでアクセルを抜くかはコースによっても違いそうですが、今回のテストでとりあえず260km/hでアクセルを緩める方法で走ってみたところ、2700mを超えた辺りまで走ることができました。
260km/hになった時点でアクセルを緩めて速度を維持。それだけで結構伸びる。
実際、富士での17周レースでも260km/h制限なら”ほぼ”17周走ることができたので、考え方は間違っていなかったようです。
他の直線でも上手い具合にアクセルをコントロールできれば、もっと燃費は伸ばせたはずですし、ゴール直前でガス欠することもなかったはず。
コーナーでアクセルオフも意味はありそうですが、アクセルオフの時間が非常に短いので、効果の幅は少ないのかな、という印象でした。もちろん細かい積み重ねも大事なので、究極的にはコーナー部分でもアクセルコントロールで燃費を稼げることが理想かもしれませんけどね。
例えばサルトサーキットのような全開区間が長いサーキットでは、どの程度抜くのが良いんでしょうね。サルトサーキットの場合、260km/h制限ではアクセルオフの時間が長すぎて1周10秒くらい遅くなっていたので、270km/hかそれ以上に上げても良いのかも。
あるいは、いっそ1ピット前提で走ったほうが速いのか。ほら、こんな話になる。限られた時間の中で毎週毎週「1時間のロングラン練習を複数回」なんかできませんよ?
あと、燃費走行ではコーナーを頑張ることが秘訣だそうですが、富士での公式戦ではコーナーを頑張りすぎて突っ込み気味からのオーバーシュートが多発していました。これは良くない。そんなところで時間を無駄にしてる余裕なんかないはずなのに。
結論として、直線末端で加速をやめるだけでもかなり燃費は伸びる。ハーフアクセル程度でも全開走行の時間を減らせば燃費は伸びる。ちょっと見えてきた気がします。富士での失態を次こそは取り返そう!!(Race4・Race5は体調不良により棄権済み)
さて、以下はどうでもいい余談です。
RC Fの車内計器にある燃料表示ですが、なんで走るごとに「増える」んでしょう。普通逆でしょ。
上の動画でもわかる通り、走ると数値が増えますし、給油すると減る。タンク内の空気の量でも表示してくれてるんですかね。
これが燃料消費ありのレースで撮った、RC Fのピットイン直前の燃料。あと1周も走れないギリギリの状況ですが、「109.6L」と表示されています。
給油すると「45.0L」に回復。せっかくの計器が役に立ちませんね。
この部分がRC Fの実車でどうなっているか知りたかったんですが、YouTubeには計器がうまく写っている動画がありませんでした。アセットコルサのプレイ動画は見つけたものの、同じゲームの動画をを正しいとするか難しいところです。
アセットコルサでは「走れば燃料が減る」。恐らくこれが正しい。
相変わらずGTにはものすごい数のバグがあるらしく、指摘されても修正されていないので、RC Fのこれも修正されることはないでしょう。まぁ走行に影響はない部分ですが、もしかしなくてもモデリングを作ってる人が車のことをよく知らないのかも。
これは488の実車。こんな感じで誰かRC Fでも撮ってくれないかなぁ。
RC Fの場合はこれが精一杯。遠くてよく見えない。SUPRT GTのオンボードは計器部分にモザイクがかかってますし、RC F実車の燃料表示がどうなっているかは結局確認できず。
副産物として見つけたのがこの動画。SUPER GTにも参戦している吉本選手が投稿した動画です。
5:00付近で燃料の表示(1.5L)も写ってますが、走行中ではないので数値が増えるか減るかはわからず。まぁ普通に考えたら「残り1.5L」ですよね。動画の撮影時(恐らく予選前日)に満タンなわけないですし。
本筋とは無関係な部分で、動画中の「トラクションコントロールの使い方」が勉強になりました。「タイヤが減ってきたら強める」ね。なるほど、今度試してみよう。
ちなみに、車内視点の燃料表示は、手持ちの車ではNSX・WRX・AMG GT・650S・RC Fで確認。RC F以外はちゃんと「走ると減る」燃料計です。走行中の目安になりそう。
気づいていないだけで実は488にも付いているんでしょうか。「FUEL」とは書いてある部分はあるんですが、数値が動いていませんでした。
以上、どうでもいい余談でした。