2018年7月22日日曜日

ブレーキパッドと耐熱温度のこと

ノートニスモSのブレーキパッドが交換時期になったようです。ですが、純正そのままのブレーキパッドに交換するとちょっと良くない。何に交換するか?で少し悩んでます。


車のブレーキは基本的には摩擦力で働きます。ブレーキローターにブレーキパッドを押し付けて回転力を熱に変換してブレーキとして働くわけですが、車の場合はその時のスピード域によって発生する摩擦熱がまるで違います。高速道路くらいの速度なら純正のブレーキパッドでも良いようですが、スポーツ走行なら純正のブレーキパッドでは能力が完全に不足します。なので適正温度の高いブレーキパッドに交換したい、というわけです。

私のノートニスモSの場合、サーキット走行3回でブレーキパッドの残りが6mm。5mm以下になると交換推奨なので、もう限界です。公道でも多少は減りますからね。もし完全にブレーキパッドを消耗してしまうと、ブレーキローターを何かの金具で直接ガリガリ・・・・恐ろしい。

ちなみに、自転車ではこのガリガリをやってしまったことがあります。ホームセンターで適当に買った交換部品で対応出来ましたけどね。明らかに音がおかしいのと、その割にはブレーキが全然効かないし・・・。

これが車の場合はあの大きなブレーキローターを交換することになるわけで、その費用がいくら位になるのか見当も付きません。超高額だろうことは間違い無さそうですけど。



ということで、ぎりぎり6mmの今がベストな交換時期。何に交換しましょうか。

純正パッドは前述の通りダメです。適正温度域が低いから。公道なら問題ないので、サーキット走行をしない人なら純正パッドがオススメ。安いし。
ただ、あくまで「ノート」用のブレーキパッドなので、車格相応の質なのは間違いないと思います。これがひとつ。

また、「ノートニスモ」の場合は更に事情がややこしくなります。標準のノートの場合、後輪のブレーキはドラムブレーキで、Sではないノートニスモも同じ仕様となっています。
しかしノートニスモSは後輪もディスクブレーキ。「ノートニスモ」と「ノートニスモS」で構造が違うんですよね。MTとCVTだけの違いじゃないんです。

ウチのはノートニスモSなので、ブレーキパッドは前後輪の両方交換が必要です。金が・・・。


ニスモ製のブレーキパッドもあります。「S-tune」という名称で、ニスモ製なら安心、と思ったら。

ノート(E12用)もあるんですが、フロントのみです。後輪用はなし。後輪がドラムブレーキな標準ノート・ノートニスモなら問題なくても、後輪もディスクブレーキであるノートニスモSの場合は困りますよね。どうやら「後輪は純正のブレーキパッドで・・・」とのことなんですが、前後で種類が違うのはどうなんでしょう。個人的には種類を揃えたい。前輪だけとはいえ結構なお値段ですからね。(14000円)

それに、S-tuneのブレーキパッドの耐熱温度は0〜500℃。すごく高いわけでもないんです。社外品(エンドレス)のラインナップを見る限り、一番下のクラスの温度域が0〜400℃ほど。純正も400℃弱までの温度域と思われます。ニスモのS-tuneはこれよりはちょっと上、くらいのクラスになりそうです。

そして、完全なサーキット向けのパッドなら200〜850℃が適正温度。もう公道で使用するには不便しか無い温度域になっていますね。ニスモのS-tuneの温度領域は純正+αくらい、と言えそうです。純正よりは確実に効きそう。

S-tuneブレーキパッドについてもうひとつ。ノートに限らず、そもそも後輪用のS-tuneブレーキパッドがある車種が少ないんです。スカイライン・スカイラインGT-R、フェアレディZ。これらの車種には後輪用のS-tuneパッドがありますが、逆に言えば他にはないんです。ノートはともかく、シルビアにも、180sxにもない。自分の車がZならS-tuneも候補だったかも・・・。


ということで社外品。ブレーキと言えばエンドレス。プロジェクト・ミューもありますね。この辺りは好みもあるでしょう。

E12改用のブレーキパッドももちろんあるものの、フロント用がかなり多いです。欲しいのは前後セット。セットの方が安いからです。

そして種類。私はエンドレスのブレーキパッドから選ぶことにしましたが、温度域をどの辺りにするか?でかなり値段が変わってきます。ストリート向け、ストリート〜サーキット向け、サーキット専用。それぞれの中にまた何種類かありますが、サーキットに行かないならストリート向けで良さそうです。値段もお手頃。

逆に言えば、ストリートしか走らないのにサーキット向けのブレーキパッドを使っても意味が無かったりします。走行会でも見かけましたが、適正温度域が高いブレーキパッドを使うと、適正温度に上がるまでがキーキーうるさいんです。走行会ならそのうち温まるでしょうけど、公道ではそこまでブレーキをガンガン踏みませんから、多分ずっとキーキー鳴ってると思います。
あとブレーキダストが多い。掃除が大変です。ストリート向けのブレーキパッドは低ダストで高制動を売りにしたものが多く、どうせ交換するなら効きのいい社外品にしてみるのも良いかもしれません。特にデカくて重いミニバンとかね。

 さて、エンドレスのパッドからの選択肢①。ストリート向けの「SSS」です。適正温度は0〜480℃。ニスモのS-tuneパッドとほぼ同等と言えそうです。
しかしこちらはE12改用にリア用パッドもあります。というか、何故ニスモの方に無いのかって話なんですけど。

選択肢②。各所でオススメされたのがこちらでした。エンドレスの人もイチオシだったのが「MX72」。公道も、そしてサーキットでも使用できる幅広い適正温度。温度域は50〜700℃なので、冷えた状態では少し効きが悪いかもしれません。なので、ブレーキに対する感覚が純正からは少し変わってきます。まぁ、車に乗った直後に急ブレーキを掛けるようなことがなければ問題は無さそうですけどね。


この2つが候補。もちろんMX72の方が高性能で、SSSはストリート向けのハイエンドではありますが、サーキット走行でも使えるものかというと・・・純正よりはマシ、でも本格的なスポーツ走行だと性能が足りない、そんなパッドですかね。

サーキットに行くならMX72一択、そんな気もします。値段は前後セットなら1万円差ほど。しかしタイヤ交換もしなければならないこの財政事情だと、SSSでもいいんじゃね?感が強まっています。資金的な事情と、一気に高性能にするより段階を踏んでアップグレードしてみたい、という言い訳。

現状、MX72より高性能なブレーキパッドの選択肢はないと思います。これ以上となると本格的なサーキット走行向けのブレーキパッドになり、公道での走行には向かないピーキーな車になってしまうことは確実です。まぁブレーキがキーキーうるさいのと、ダストがものすごく出ることくらいの「向かない」ですけどね。

それに、そこまでするならローターとキャリパーごと替える選択もできます。もちろん金額の差はすさまじいですが、パッドだけ替えた制動力とは桁違いでしょう。パッドだけサーキット仕様にするのも変。


今後、どこかの段階でMX72にはしてみたいですが、SSSでも十分純正よりは高性能ですから、とりあえずそっちを試してみようかな、と。また次にブレーキパッドを交換することになったらその時はMX72ですかね。



スポーツ走行では特に熱対策が重要です。油温・水温はもちろん、タイヤも高温になりすぎるとすぐにへたれますし、ブレーキにも適正温度がありますから、夏場のスポーツ走行は必然的に過酷になります。

・・・・つまり、夏走ったら金がかかる。なので次の走行会は涼しくなってからにする!、と決めています。その時の精神状態次第ですけどね。色んなことが上手くいってますように・・・。