2022年からWECに参戦するプジョーのハイパーカー「9X8」がついに公開。しかしなんとリアウィングがない。レースカー=リアウィングがあって当然、という時代が終わるのか?
そういえば市販車でも標準ではリアウィングがないことが多くなりました。昔と比べて技術が進んだためにリアウィングのようなエアロパーツがなくてもダウンフォースが確保できるから、という理由らしい。
レースカーでもダウンフォースはほとんどが床下で発生させていることが多いと聞きます。低速では役に立たず、高速ではダウンフォースを生む半面空気抵抗にもなるリアウィング。別のアプローチでダウンフォースを稼げるなら無いほうがいいんでしょう。ぶつかったら取れるし。
90年台のスポーツカーにはリアウィングが必須?みたいな感じで、GT-Rやインプレッサには当然のようにでっかいウイングが付いていて、それがステータスみたいになってました。
「スポーティ=ウイング」のイメージが拡大しすぎて何故かプリメーラにもウイングが付いていましたが、実はロードカー程度ならウイングは付いてても無駄では?という疑惑もありました。まぁサーキットでは効果があるとして、「高速道路での安定性が違う!」という意見もあるようですが、逆に言えばそれ以外では意味がない・・・。
ロードカーの速度領域=100km/h程度ではダウンフォースによるメリットも少ないですし、ウイングの設置場所を強化しないとダウンフォースで車体が凹むこともあるとか。ウイングのせいで後方視界は絶望的。
最近の車では、スープラ(A90)も標準ではウイングレス。トランクにリップスポイラーが付いているので、ここにあえてウイングを付けるのも変な感じです。WRXのウイングも実はオプション。
アストンマーティン・DB11はCピラーでダウンフォースを発生させて、リアウィングと同等の効果を出しているらしい。「ウイングが出ている=高速域で走っている=速度違反」でお馴染みの可変ウイングすら不要にしてしまうのが21世紀の技術。
実は私は「車にGTウイング付けたい派」だったんですけどね。最近のウイングレスの車のほうがスマートな気がして、もしZを買ってもウイングを付けないほうがいいのかな?とか考えていたんですよ。スープラみたいにリアウィングなし前提のデザインなら、むしろGTウイングを付けてもダサいだけかも。
プジョーのウイングレスレースカーは果たして成功するのか。プリウス(ハイブリッド)やリーフ(BEV)はかなり空気抵抗を意識していますし、時代の流れとしては正しい。こういう面白い発想の車は歓迎ですよ。
「WECのレギュレーションを追求した結果前輪駆動になった挙げ句にLMP2よりも遅くなった車」もありましたが・・・まぁ多分そんなことにはならないでしょう。多分。