ノートニスモSとノートニスモ、そこにe-POWERのノートニスモという3種展開だったところに、もうひとつ加わるようです。まさかのe-POWERの強化版、「ノート e-POWER NISMO S」。
ノートの「NISMO S」といえば、これまでは5速MTのガチ仕様のみで、エアロは同等ながらCVTの「NISMO」と、ベースモデルもバカ売れのノートe-POWERの見た目をニスモ仕様にした「e-POWER NISMO」と、まぁ住み分けがされていたと思うんです。
最近やたらよく見かけるノートニスモ。エアロと赤いアクセントが目立つんですよね。自分もノートニスモSに乗ってる手前、見かけるとついガン見しちゃうんですが、割合として多いのは明らかに「NISMO」です。e-POWER含め。
「ノートニスモ」でエゴサーチしても同じ。実際の性能は別にして、見た目やらで選ばれているように感じます。まぁ、好みは分かれるようですがね。私は好きですけど。
今回の「e-POWER NISMO S」の追加も、その辺りの需要を反映したものじゃないですかね。NISMOにしてもe-POWERニスモにしても、ノーマル+αだったのは間違いないと思います。e-POWERについては「スポリセ」とやらが流行ってるらしく、コンピューターチューンでかなり面白くなるとか。逆に言えば、ノーマルだと普通なわけです。
これが、e-POWERニスモSでは25%増しの「100kW」のパワーを発揮するとか。スゴイですね。
・・・キロワットだと全然ピンときません。要するに「136馬力」だそうです。逆算すると、標準のe-POWERニスモでは110馬力程度だと。まぁ、確かにそんなもんでした。モーター駆動なので、馬力以上にパワーを感じましたけどね。普通のe-POWERでも出足の鋭さはニスモS以上かも?という印象です。
それが更にパワーアップ。トルクは確実に電気自動車が有利なので、低速域からの加速はニスモS以上なのは間違いないでしょう。数値上の出力は、「S」が付くだけにノートニスモSと同じくらい。
バッジにもちゃんと「NISMO S」と付きます。これまでMT仕様だけのバッジだったのに、ちょっと残念。まぁ青色で区別できますが。
日産からのメールでコイツの発売を知ったんですがね。良く言えば、ノートニスモ全体がそれだけ売れてるんだなぁと。私が買った時は全然だったのに。そりゃあコスパで言えばスイスポが絶対上ですし、フィットRSもヴィッツGRも選べる今の時代、ちょっと派手すぎるエアロがキツイ人もいらっしゃるでしょうけどね。
売れる=正義だとすれば、いい買い物をしたのかなと。買ったはいいけどオタクっぽいとか言われたら目も当てられないですからね。
しかし、ニスモロードカーシリーズの中で、ノートニスモだけがこんなにも種類が多くなるとは思いませんでした。どれもせいぜいATかMTか、くらいの違いしか無いのに、ノートニスモだけ4種類。まぁ多いのなんの。
ただ、良いことばかりではないんです。ひとつは、燃費は絶対に悪くなりますよね。いくら電気駆動で効率が良いとしても、それを派手にぶっ放していれば電池切れはあっという間です。当然それを補うためにエンジンは回りっぱなし。ノートニスモSのリッター14km/L(しかもハイオク!)よりはマシだとしても、これだとあんまり意味が無いような気もします。
2つめ。「S」が付くだけに、e-POWERニスモとの違いが気になるところですが、見たところ違いが少ないように感じました。「ニスモ」と「ニスモS」は結構違うんですけどね。エンジン排気量(1.2Lと1.6L)、トランスミッション(CVTと5速MT)はもちろん、ホイール径(16インチと17インチ)やマフラー(φ85とφ100)、ブレーキ(ニスモSは後輪もディスクブレーキ)、サスペンション(車高は2.5cmダウン)、などなど。特にホイール径とマフラーの違いは、パッと見で区別できる大きな特徴です。
これが”e-POWERニスモ”と”e-POWERニスモS”の場合・・・
んー・・・違いが少ない。
バッジは別とするなら、LEDヘッドライトのみがe-POWERニスモSの専用装備。モーターのパワーと、走行パターンが6種類あるなど、中身の違いはもちろんありますけどね。パッと見の違いが少な過ぎる気がします。16インチのホイールも同じ、サスペンションの硬さや車高も同じ、ブレーキも同じ。主要諸元表を見ても全部同じです。モーターも同じ定格出力ながら、最高出力が異なっているので、モノが違うというよりは設定が違う、ということになります。
こんな感じ。拍子抜け、とか言ったら怒られそうですが、「S」と付いてる割にはインパクトがないなぁと。
(今更気づいたんですが、LEDヘッドライトは「S」のみ標準装備だったんですね。ノートニスモでもオプションでした。知らんかった。)
3つめ。元々ノートe-POWERはかなり強気の価格設定です。コンパクトカー自体がまぁまぁの価格になりつつある時代に、ハイブリッドにワンペダル運転に、各種安全装備もてんこ盛り、ということで当然の価格になっています。
安全をケチって後悔するのもアホらしいので、仕方ない出費だとは思いますけどね。なーんにもないノートなら150万円くらいのものが、e-POWERだと200万円スタート。確かにその価値はありますが・・・。
そこにニスモのブランドまで乗っかると「249万円から」。e-POWERニスモは高いです。ノートニスモSより高い。(ノートニスモSは233万円)
で、e-POWERニスモSだともっと高い。カタログ価格で「267万円から」となっています。うへぇ・・・。
問題はここから。実はノートニスモSの場合、選べるオプションが殆どありません。デフや強化クラッチ、クイックシフトのようなガチ改造メニューは別にすると、レカロシートやナビくらいが悩むところじゃないでしょうか。MTだと安全装備が選べないんですよね。アラウンドビューモニターや衝突安全機能を付けようがないんです。ああいうハイテクはAT(CVT)の制御が前提になってますからね。
逆に言えば、他のノートニスモには付けられるんです。「選べない」なら考える必要は無いんですが、「選べる」なら選ぶ可能性だってあるわけですよ。安全装備なら尚更。アラウンドビューモニターに衝突安全機能、クルーズコントロール・・・などなど。ナビまで全部付けたらいくらになるやら。レカロだって付けられますしねぇ・・・。
e-POWERニスモSのレカロ付きで「294万円」らしいので、ナビに安全装備まで付けると320〜330万円にはなりそうです。そこに税金やら諸経費が加わって・・・価格的にはコンパクトではなくなりますね、確実に。ヘタすればZが買えるかも。
街中でノートニスモを見かけることが本当に多くなりましたが、その中でもe-POWERニスモの遭遇率が非常に高いです。なので、みんなお金持ってるんだなぁ、と内心思っていたんですよ。それだけの価値がある、ということでもあるんでしょうけど、今回さらに上が出てしまいました。さて、どれだけ売れるやら。結局売れるんでしょうけどね・・・。
そして、「ノートニスモ」の中でも「ノートニスモS」だけが我が道を行ってる感じになってきました。以前にも増して。もはや同じスポーティーカーのATかMTか、の違いだけじゃないですよね。e-POWERニスモの場合は電池容量の関係でどうやってもサーキット(の長時間走行)は厳しいですから、完全にストリート向けの車です。売れてるってことは正解なんでしょうけどね。多分想定外の売れ方なんじゃないかなぁと。
ということで、今後はさらに「ノートニスモ間違い探し」が難しくなりました、という話です。ノートニスモユーザーは結構やってるみたいですね、間違い探し。特に「S」の人は。
私は結構得意ですよ。バッジもそうですが、ホイール径が違うんですぐにわかります。e-POWERニスモSも16インチのままなので、17インチは「ニスモS」だけ!みんなも探してみよう!!(もはやノートニスモSが少数派・・・)