2017年12月2日土曜日

2017年シーズンのSUPER GT、など

今年もすごい勢い(当社比)で過ぎていき、ついに12月。モータースポーツのシーズンも終わってしまいました。フォーミュラEは他と被らないようなスケジュールになっているようで、これから丁度開幕なんですがね。
FEはカムイの参戦など、こちらは中々な雰囲気じゃないですか。消滅しかけのLMP1や、何を競ってるのか相変わらず不明なF1などと比べて、新規の参戦やらのトピックが非常に多いです。こちらの話題も追々まとめたいですね。自分自身が整理できてないんで。


そしてスーパーGTも無事終了。今年はレクサスでしたね。気合の入れ方的にここ数年は日産がかなり強かったですが、どういうわけは2017年シーズン序盤の日産は恐ろしく遅い。何でもエンジンの出力を意図的に落としていた(そうしないと壊れる)とかで、だから遅かった・・・らしいです。つまり大失敗。スタートで壮大にコケたわけです。

ホンダは去年よりは健闘したんじゃないですかね。何故かエプソンNSXが優勝したりしてましたし、ハマれば速い。しかし安定的に結果を残していたかというと・・・結局安定感なんですよね。
そういえば、初戦・岡山のPPはARTA・NSXだったんですよね。だから速さはそれなりにはあったはず。なのに、肝心の決勝ではまさかのNSX5台中4台がリタイア。理由は全車同じ電装系だったとか。運なのか何なのかはわかりませんが、あの初戦(レクサスが上位6位までを独占)がすべてだったような、そんな気がします。

レクサスの場合、レースごとの勝ち負けは別として、オンボード映像での安定感がすごかったようです。オンボード映像を見た解説者がみんなそう言ってましたね。ハンドルの動きについて、「修正がない」と。それだけ安定感があったらしい。そりゃあ速いわ。
同じタイムで走る車だったとしても、安定してそのタイムを刻める車と、ドライバーが必死で抑えこんでそのタイムを出している車と。こんな比較ですかね。ホンダはマシンの信頼性であったり、他とは違うMR方式ゆえの車の煮詰め具合が不安。日産はエンジンの信頼性が不安。対するレクサスは大きなトラブル無しの安定感。勝つべくして勝ったと思います。


しかし、ニスモの最後の追い込みはすごかったですね。私はニスモロードカーに乗っておきながら特段日産を応援していないクソッタレなんですが(全チーム好きなだけです)、やっぱりちょっと気になるんですよ。なんで、最後は流石に応援してしまいました。松田選手には色んな御縁もありますからね。

まぁ最終戦に関して言うなら、レース前のゴッツンがなければなぁ、という感想です。スタート前に3位スタートのワコーズが2位のニスモに追突して破損。ニスモはそのままレースを続行しましたが、ワコーズは中々のダメージだったようで、どんどん後退していきました。
もちろんワコーズは同じレクサス陣営ですし、何よりも監督があの脇阪寿一監督ですから、勝ちに行くなら当然勝ちに行くとして、それが無理なら徹底的にKeeperをサポートしていたはず。なので結果は変わらなかったのかな?とも思うんですが、でもどうせならそっちパターンのレースが見てみたかったですね。始まる前に終わるのは好きじゃないんですよ。


その結果、ニスモはKeeperとのポイント差を逆転できず。もしシリーズ序盤でもう少し速ければ、というタラレバになりますね。逆に言えば、序盤あれだけダメだったのに、最終戦でも逆転のチャンスがあったのがスゴイ、とも言えます。
普通無理ですよ。序盤数戦の時点で、私は最後までレクサスだけでチャンピオン争いをするものと思っていましたからね。これがニスモの底力なのか・・・。

ですが、他の日産陣営は完全に沈黙していましたね。いいとこなし。カルソニックは去年の勢いがまるで無く、エンジン換装後も特に目立った活躍がありませんでした。SRoadも同様。例えば茂木のレースで、ニスモの反撃に混じってカルソニックも優勝争いに絡むようだったら、最終戦はもう少し見応えがあったかもしれませんね。やっぱりサポートって大事。




GT300はどこぞの初音さんとこがチャンピオン。久々ですね。全体的に経験が違う!という印象でした。ここ数年、肝心なところでガス欠したり、奇抜な作戦が尽く裏目だったりして、良く言えば運が悪い、悪く言えば詰めが甘い、そんなレース運びだったと思うんです。
なので、普通にレースをしたら相当強いのは間違いないですから、その実力がそのまま出ただけだと思います。メルセデスのAMG・GT3の完成度も良いみたいですからね。そこに流石のベテランコンビですから、強くて当たり前でした。


来年はどうするんでしょうね。メルセデスで継続?それとも・・・なんてね。

というのも、バラエティ豊かなGT300クラスですが、チャンピオンシップ争いに絡む車種はそこまで多くないじゃないですか。プリウスは何か失速気味ですし、海外では速いはずのアウディR8はやや物足りない感じ、BMWはトラブル続きだし、ベントレーはたまにカメラに映ってその大きさに驚かれるだけ(コイツも速いはずなんですけどね)、ウラカンもちょっぴり速いもののチャンピオンシップに絡むほどではなく、ポルシェ(そういえば大魔神って監督もやってるんですね)も少しだけ速い、GT−Rは調子に乗って速すぎたせいで急に遅くなってるし、そういえば488も居たような気がするけど気のせいかもしれないし、マクラーレンとアストンマーティンはいつの間にか居なくなってるし。スバルもマシンとしての限界が見えてきた気がしないでもない。こんな印象です。
新顔のレクサスRC-F・GT3がいい感じでしたけどね。これまで下位常連で全く目立たなかったのに、製品版になってからは急に速くなってました。ホンダのNSX・GT3も海外レースでデビュー(そして即クラッシュ)したようなので、GT3マシンが主流になって数年、ようやく日本産のGT3マシンが出揃ってきました。来年はNSXもでますかね。オレンジ色で。


まぁ要するに、他の活躍にも期待したいんですよ。結局レオンやゲイナーもAMG・GT3ですから、同車種での争いになっちゃうんです。MC勢も中々速いですけど、もう少しバラエティ豊かなチャンピオンシップ争いになればなぁと。もはや単なる希望ですけどね。





さて、最終戦・茂木にて、モノコックを共有するドイツのDTMシリーズマシンが日本でお披露目され、レース前にランデブー走行をしていました。これ以前に、GT-R・LC500の2台がドイツへ渡り、向こうでもデモ走行にて披露目されました。
元々モノコックを共有だとかの話になったのは、将来的な交流戦などへの発展を目標にしていたわけですが、これがいよいよ現実味を帯びてきました。そう言えばベルガーさん(向こうの偉い人)が中々興味深いことを言っていました。公式には発表されていませんが、なんか確定してるみたいなそんな言い方でした。「2年後」らしいですけど、どうなんでしょうね。

しかし困ったことに、モノコックを共有するとかの話を進めているうちに、世界的なレースの環境は大きく変わりつつあります。WECのLMP1クラスは、数年前は非常に盛り上がっていましたが、去年からアウディの撤退にポルシェも撤退でクラスごと消滅の危機。というか、このままだとトヨタだけになるんで、いわゆる「ワークス同士の戦い」としてのLMP1は消滅します。非常に残念。

少し脱線しますが、WECの発表によると2018年のシーズンから枠組みを色々変えるそうで、最終戦がル・マン24時間になるようなチャンピオンシップにするんですが、2018年は過渡期のシーズンということでル・マン24時間が「2回」もあるそうな。そりゃすごい。
で、LMP1はワークスとプライベータのクラスが統一され、同じ速さになるよう調節することで、最上位クラスの台数はどうにか確保する予定なんだそうな。トヨタが参戦を継続するかどうかはまだ未確定ですが、例えば参戦を継続するとして、ライバルはプライベータが主になりそう。ここの参戦台数がどうなるか?ということと、それが将来性のあるほどの勢いがあるのか、という部分に注目しています。「ル・マン総合優勝!」の肩書でどれだけ釣れるか・・・ですかね。

どうやらプジョーが耐久復帰を目指しているとか聞きましたけど、まぁ何にせよワークスとしてWECに参戦しそうなメーカーは限られています。VW系はしばらく無いでしょうね。撤退したばかりですし、色々あってVWのエコなイメージが尽く破壊されたんで、もう全部電気自動車に注力するつもりなんでしょう。自業自得でもあるんですが。
メルセデスはル・マンに祟られているので絶対にあり得ない、BMWもちょっと無さそう、フォードはGTクラスには気合を入れていますが、プロトタイプクラスにまで”復帰”することは無いかもしれません。アストンマーティンも同じ。フェラーリは・・・Pナントカで急に復帰したりしませんかね。F1はもういいじゃない、なんてね。

日産は復帰しないとダメ。汚名返上しないとね。黒歴史にして埋めるだけで終わらせるわけには行かないと思うんですが?


という感じ。GTについてもこの辺は同じでして、DTMではメルセデスが撤退の予定、アウディもFEに気持ちが思いっきり傾いている感じです。なので、DTMのシリーズ自体がちょっと怪しいんですよ。数年でガラッと変わるもんですねぇ。
一方で、日本のスーパーGTは絶好調じゃないですか。なんで日本側は心配なし。だからどこかのチームがアウディやBMWのサポートを受けて参戦することもない話ではないと思うんです。
別に向こうがこっちに来なくても、こっちが向こうに行ってもいいですよね。GT1シリーズでGT-Rがチャンピオンになったこともありますし、どこかのチームがレクサスや日産のサポートでDTMに参戦することもない話ではない。

・・・だったらいいな、という希望ですね、現時点では。まぁ運営側は「そうしたい」らしいですけど、チームがそこまでやりたがるかはまた別の話。お金だったり、その他の体制だったり。例えば参戦までこぎつけたとして、肝心のレースで全く勝てなかったらすぐに撤退しちゃいますよね。GT500に実は参戦していたアストンマーティンのように。
だからって特別待遇にしちゃうと不公平ですから、「勝てるくらいの実力と、メーカーの強力なサポートと、びっくりするくらいの資金力」が必要になります。誰かいるかなぁ・・・。


世界的に、モータースポーツ自体が過渡期ですよね。FEも、確かにエコ的な観点や世界的な電気自動車の広まりと共に盛り上がってはいますが、実はマシンのスペック的にはそうでも無かったりします。モーターの出力は300馬力もないですし、レース中の充電は時間がかかるんで「マシンごと乗り換える」というまさかの方法ですしね。これがF1みたいな大出力で、充電も一気に出来るような車になれば・・・もうみんな電気自動車に乗っている世界になっているでしょうね。期待しましょう。
一方で普通の車のレースは環境(エコ的な意味)がどうとかだったり、F1みたく政治的な争いばかりだったり。恐らくどこかでは決着するんでしょうけど、それがどこになるやら。まぁ縮小していく方向であることは間違いないでしょう。残念ですがね。今の間に精一杯楽しむしか無いのかな、と個人的には思っています。

WRCではトヨタが復帰して、これからって感じですけどね。VWが撤退して、ヒュンダイが復帰して。相変わらず三菱やスバルは戻ってくる気配がなく。こちらも今後が気になります。




ということで、また来年。来年こそはどこかのGTレースを見に行きたいですね。この場合は「行こうと思えばいつでも行けるけど、1人で行くのはちょっとね!」ってだけなんですが。相方募集中・・・。