多分ですけど、車好きの人って中学生・高校生の時にも車が好きだったと思うんですよ。もちろん自分で買ったりはできませんから、ネットの動画とかで見たり、街中で見かけて「いいなー」とか思うくらいが精一杯。
もちろん自分もそうなんですが、その「憧れ」ってとても大事だと思う反面、すごい複雑なのかも、と最近考えるんです。
高校生くらいの時といえば。PS2のレースゲームを色々やっていた頃。別に峠系は好きじゃないんですが、まぁレースゲームの一貫ということで遊んでたりしていたわけです。それに、個人的には「レースカー」よりも「スポーツカー」や「チューニングカー」に憧れがあったからかも知れませんね。決してレーサーになりたいわけじゃなくて、90年代後半くらいに流行ったアイツらへの憧れがあったわけです。いつか乗りたいなぁと。
今でこそノートニスモを乗り回していますが、最初の最初は何に乗りたかったかというと「180SX」でしたね。ワンエイティ。特に後期型。180SXは90年代後半までは売っていましたから、2000年に入ってもまだ「ちょっと前の車」ではあったんです。値段も(比較的)手頃だし、FRだし。もし買ったらシルエイティ仕様にしていたと思います。単にリトラクタブルがあまり好きじゃないからですが。
ってのが当時の話。憧れていたのは子どもの頃。でも実際に買えるようになる年齢ってずっと先の話じゃないですか。高校生や大学生の時分でバイトして、それを全部つぎ込んで中古車でも買えば、まぁ案外早く憧れに手が届くのかも知れませんけどね。普通はもうちょっと後の話ですよ。大学生の時に免許を取って、せいぜい親の車を借りてどこかに行くとかその程度で、大学を出たら就職先で社用車を運転する程度で、あまり運転してないものだからおっかなびっくりだったりして。
で、ある程度仕事や収入が落ち着いたら、「車でも買おうかなぁ」なんて思うわけです。その頃には・・・何歳になってるでしょうね。私の場合は色々山あり谷・・・というか海溝ありだったので比較が難しいですが、20代半ば以降なのは間違いないでしょう。
私は結構無理をして車を買いました。ストレスフルな環境から一気に開放されて、もうヤケクソですよね。元々MTの車に乗るためだけに免許を取ったようなものですから、ここで買わないでどうする!と、後先考えずに購入を決意した次第です。割と思い立ったら即行動するタイプなのでね。
これは憧れが振りきれたパターンだからの結果であって、そこまで熱中しない人だったら、適当にエコカーや軽を買ったり、家族のため(20代半ばである程度の割合が一気に結婚しますよね)の車になったり。憧れなんかどこへやら、ですよ。うっかり2ドアのスポーツカーなんか買ってる余裕なんかどこにもありません。
しかも特に今の時代、「スポーツカー」自体が絶滅危惧種みたいになってるでしょう。海外だとまだちょっと元気ですが、だからってメガーヌRSなんかを日本で買える若者なんかほとんど存在しませんし、国産に限定するなら86とかロードスターがちょろっとあるくらい。シビックRは超高額ですし、GT-Rなんか冗談じゃない。比較的安めのノートニスモやG'sシリーズのようなそれっぽいやつでも割と高額。選択肢がたくさんあった時代が羨ましいです。
じゃあ、当時憧れたアイツらはというと・・・もう15年落ちとかそんなんですよね。職場で「もし買うならRX-7かなぁ」なんて話を聞きましたけど、FDも一番最終年度のモデルで15年落ち。これって結構な古さだと思うんですよ。その古さを感じないだけのデザインなのはステキですが、でもやっぱり15年前の技術。例えば15年前の家電なんか、今こぞって買う人はいないでしょうに。スマホすら無い時代、と考えるとすごい過去のような気がします。
R32なら25年落ち、あるいはもっと。25年といえば四半世紀。もうクラシックカーの領域です。もちろん人気は未だに高いので中古価格も高額ですし、海外での人気も合わさって更に高額に。状態によっては新車の価格以上での取引になっているとか。R34だと1000万超えもあるそうですね。
もちろん状態次第の話ですが、基本的にスポーツカーなんかは車好きが買うものであって、当然乗り方もそれ相応になるので、中古車の状態があまり良くないんですよね。プリウスだったら改造なしのものがゴロゴロしてるでしょうけど、90年台の国産スポーツカーの中古車で、何も改造していないやつなんか存在してないに等しいと思います。好きで買うんだから当たり前。もしかしたらサーキット走行までやっちゃってるかもしれない。
なので、私がノートニスモではなく、いつか憧れていたワンエイティを選んでいたなら、「20年弱落ちで状態の良くない、維持費も結構掛かる車」を、「人気なだけに意外と高額で」買うことになっていたと思います。安いものは相当な走行キロ数かかなり傷んでるか、高いものは走行キロ数のわりに状態がいいとか、前オーナーが安全運転の人だったか。どちらにせよリスクがあります。そこに手を出すかどうか、ここでその人の憧れがどれだけ強いか?が試されるわけです。
私の場合はハッチバックの車も好きだったので、新車でハッチバックでMTの車が選択肢にあったからそっちに飛びついちゃいましたけどね。もしそのままワンエイティとか、そうでなくてもZ33とか、そういう選択肢を選んでいたなら・・・とか、少しは考えます。Z34ニスモも好きなんですけどねぇ。ガレージとお金が足りません。それが揃う頃にはZ36くらいになってそう。
残念ながら、当時憧れたアイツらを今買うことは難しいですね。5年位ならともかく、15年・20年前の車ですから、もはや。数年の楽しみと割り切って買うくらいの余裕があればまた別ですけど。
まさか、当時の憧れた結果がこうなるとはね。「よく考えてみ、テメェの憧れに乗れるようになるまで何年掛かると思う?」って高校生の自分に言ったら・・・最低な大人だな、オイ。